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【本紹介:お金の真理】与沢翼氏の言葉「人脈は負債」は本当のなのか?

2024年6月21日

一般的に,人脈はビジネスにおいて非常に重要かつ必須要素であると言われています。 これに対して「人脈はビジネスにおいては不要でいらないどころか,害をもたらすマイナスのものである」と,真っ向から反対の意見を発信している方がいます。

それが与沢翼さんです。 発信源は『お金の真理』という著書です。

ちなみに私はkindleで読みました。

私は経験上,この言葉は真実であると考えています。 つまり,人脈はお金を奪っていくということです。

 

人との繋がりは,思っている以上に維持コストがかかる

人との繋がりを維持したり,発展させたりしようとすると,実は多くの方が思っている以上にコストがかかります。 人と会うために外出したとすれば,交通費がかかりますし,スーツなど着たならクリーニング代がかかります。 飲み食いしたなら飲食代もかかります。 

そしてなにより,貴重な時間を大量に使うこととなります。 たとえば,1時間の打合せのために片道1時間かけて移動したなら,往復全体で3時間を使ってしまっています。 5,000円/時間を稼ぐ能力があるのなら,それだけで15,000円相当のコストがかかっています。 また,異業種交流会など積極的に自分から接点を作りにいこうとすると,入会金・月会費・参加費などもバカにならないくらいかかります。

このように,人との繋がり(≒人脈)というものは,勝手にそこに存在してお金を産み続けてくれるもの(=資産)ではなく,生成コスト・維持コスト(=経費)もしっかりかかるものであるのです。

すなわち,人脈というものを資産とするには,しっかりとした資産のメンテナンスが必要であるのです。 また,そのためには人脈のメンテナンススキルという技能も必須であることを理解しなければなりません。

 

資産には,その価値が時間と共に減少する資産と,価値が変わらないor上昇する資産とが存在しますが,人脈を資産と捉えたら,これは価値が時間と共に減少するものに分類されます。 連絡を取らなくなって,関係が希薄になった友人がたくさんいるのではないでしょうか?(小学校・中学校・高校で,一緒に遊んだ友人たちがある程度いるはずですが,大人になった今もその関係を維持できているのは,多くても数人くらいではないでしょうか。)

このように,人脈を資産として捉えたとき,人脈はその資産価値を時間と共に目減りさせていくものなのです。

人脈を資産として維持し,人脈を活かしてお金を稼ぐことがしっかりできていないと,維持コストばかりがかかってお金を自身のポケットから流出ばかりしてしまいます。 つまり,自分のポケットからお金を奪い続けていく負債に人脈もなり得るということです。 すなわち『人脈は負債』です。

この点を,与沢翼さんは『お金の真理』にて伝えようとしてくれています。

ちなみに,自分自身のポケット(=預金口座)にお金を運んでくれるものを資産,逆に自分のポケットからお金を奪っていくものを負債といいます。 この点,以下の書籍で詳しく書かれていますので,是非読んでみて下さい。

うさんくさい詐欺師がよく会話に出す本というイメージが一部であるようですが,個人的にお金について学ぶなら最初に読むべき本です。

 

多くの場合,人との繋がりはお金になっていない

この本では『人脈』という表現が用いられていることから,おそらくビジネス上の付き合いの人付き合いを想定しされたものと思います。 なので,ここからの話はビジネス上の話に絞って話します。

 

私自身の話ですが,独立した後に,友人や以前勤めていた会社の知人などがお客さんになってくれたケースはゼロでした。 (あと「独立したら仕事頼むよ~」という口約束ケースの多くは,実際には仕事はほぼ来ません。 なので,その申出を確実にしたい場合は,予約契約などで外堀埋めておきましょう。)

もしあなたが起業をしようと活動をしているのなら実感できると思いますが,“何か現状から変化を起こそう(起業しよう)とする”ことには,かなりのエネルギーを使います。 それはお客さま同じで,今あるお取引先をわざわざ変える(=何か現状から変化を起こす)ことにも,お客さまはエネルギーがいるのです。

知人ベースでの依頼がほぼ発生しない=知人冷たいなぁ,という(知人の安易な口約束を責める)話ではありません。(知人としては,起業に対する応援の意味を込めて言葉をかけてくれていると思われます。) ここで言いたいのは,自分にお金を払ってくれる人は,思っているよりも少ないということをしっかり認識しておくべきということです。 逆を考えてみればわかりますが,読者の方が人生で起業や独立している友人になにかお金を払って仕事を依頼した経験がありますでしょうか? おそらくほぼ無いのではないかと思います。

これは,そっくりそのまま自分が独立した際にも同じ(友人などから仕事が舞い込むことがほぼない)ということです。

※私の民法解説サイトからいらした方で,行政書士として独立を計画しているとしたら,周りの人に「今までの人生で行政書士に仕事を依頼したことがありますか?」と聞いてみて下さい。 ほぼ100%「無い」と返事が返ってくると思います。 行政書士として独立する前に,行政書士という存在がそういうものであるという事実に目を背けず,キチンと向き合っておくべきでしょう。

 

しかしながら,お金を支払ってくれるのは必ず“人”であることを忘れない

生きていくためのお金を稼ぐ方法は星の数ほどありますが,どのような方法(ビジネス)であっても,必ず共通することがあります。

それは,お金を払ってくれるのは例外なく“人”であるということです。

 

取引先が法人であっても,その法人組織内の中に「契約する」「取引をする」と決定権限を持つ“人”が必ず存在します。 何もないところから,勝手にお金が湧いてきて,自分の預金残高が増える…なんてことはないのです。

お金を払ってくれる震源地が“人”である以上,ビジネスにおいて他人との接点は避けて通れないということは注意を向けておく必要があります。

 

この点を加味して考えるならば,与沢翼さんが『お金の真理』を通じて言いたかったことは,より正確には「人脈は負債に“なり得る”」だったのではないかと,私は思います。 だから,「人付き合いに注意を向けろ」と警鐘を鳴らしてくれているのです。

(また,与沢翼さんは過去に自分自身で「与沢翼=お金持ち」というブランディングを実施していた経歴がありますので,余計に周りに寄って来る人は与沢翼さんにとって負債になりがちであったのではないかと思います。)

 

以上から,人脈は負債になり得るし,多くの場合はコスト倒れになってマイナスになるのでとにかく気をつけろということになります。

個人的に私は与沢翼さんに賛成で「人脈は負債」派です。 現に思い返すと,中途半場な距離感の経営者さん知り合いなどからのお誘いは,1円にもならない飲み会や,1円の得にもならなさそうなビジネス交流会のお誘いばかりでした。

自分の大切なお金を守るために,人付き合いをキチンと考えて人と接するように私はしています。 なので,あんまり外に同業者やお客さんなどと飲み食いに出かけません。 用事が無ければ家・事務所に引きこもって仕事をしています。

 

今回は,与沢翼さんの『お金の真理』をご紹介しました。

学生起業,倒産,自己破産,個人投資家を経験されているので,お金に対しての知見や経験は一般人とは一線を画している印象を受けます。

お金についてプラスもマイナスも経験された方の言葉には学ぶものがたくさんあります。

文体も優しく書かれているので,お金について,難しくなく本を読みたい場合はおすすめします。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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